昆虫がこれほど栄えているのは翅を持つことによることが大きいだろう。
昆虫の中でもチョウの仲間の翅の構造はとても分かりやすい。4枚の翅が外から見えて展げれば一目瞭然だ。
甲虫の翅は外側を鎧のような硬い羽根が多い、内側に飛ぶための憂くて広い羽根が隠されている。それでも、外から見たときに体の中心線を境に左右が分かれていて、翅も左右2枚ずつあることがはっきりとわかる。
それに比べるとカメムシの翅はわかりにくい。背部は楯のような形の板状の部分でおおわれている。種類によっておおわれる面積の割合に違いはあるけれど、それがわかりにくくしている原因のひとつになっていそうだ。体の中心線を境に翅が閉じられているのではないからだ。
何枚かのナガメの成虫の写真を見てみよう。
はじめは色の濃い成虫が翅を閉じている写真だ。閉じている左右の翅の上に小盾板がのっている.
少し翅をずらすとこんな感じだ。
翅を閉じているときにはどこからどこまでが境目かよくわからないが、開いてみると翅の先端部分が重なっていたことがわかる。また、翅の前部と後部で構造も違うようだ。
完全に開くとこんな感じだが、静止していないので少しわかりにくい。
外側の硬い羽根の下にうすい羽根があるようだ。今度は機会があったら確かめたい。オオキンカメムシのような大きいのがわかりやすそうだ。