ちょっとだけ様子を見るつもりで立ち寄った。舗装はされているもののもうだいぶ痛んだ小道を行くと意外なものがあった。果樹園のあまり手入れされていない外周の植込みの外側にそれはぶら下がっていた。
一目見てジャコウアゲハの幼虫だということはわかった。ネット上では何回も目にしていた。本物に出会ったのは初めてだった。成虫には何度も遭遇していたので幼虫に出会わない方が不思議だった。
その幼虫はほかのアゲハの若齢幼虫のようなカラーリングだった。あの色合いは鳥の糞に擬態しているとされているのだが、大方の終齢幼虫は鮮やかな緑とか若齢幼虫とは違う色合いになっている。