ニッキと言った方がわかる人がいるかもしれない。少なくとも私はそうだ。
小学生のころ近くの子たちと藪や草原の中を歩き回ったものだ。農家の子もいてサラリーマンの子では知らないことを色々教えてくれた。木の根元を掘り、根を掘り出して折ってにおいをかがせてくれた。かじってみた記憶もうっすらとある。「ニッキの木だ」と言った。
よく見る木のようだが、似たものがたくさんある。葉脈が3本に分かれていてクスノキ科の特徴だそうだ。葉を揉むといい香りがする。風のないとき通りかかると木の下には香りが澱んでいるのがわかる。